百戦錬磨のビジネス
12/24。
じつは一ヶ月ほど前にベテラン営業マンのハイドさんから「サイトのリニューアルをしたい」というお客様の紹介がありました。まあ、お話を伺うくらいなら…と、ノコノコとヒアリングに臨んだのが11月下旬ごろ。
そのお客様、会ってみたらメガネが良く似合ういかにも頭良さそうなオジサマで、仮にドクトルさんと呼びます。しかしよくよく話を聞いてみると、どうも単なるリニューアルじゃなくて「サイトの売上を伸ばしたい」という相談でした。いやー、それは完全にビジネス案件だよ〜、技術屋にすぎない私が手出しできる世界じゃないわー。
これはもう無理だからお断りしよう!と思っていたのですが、そういえばナスダックさんがビジネス方面にめっぽう強いではありませんか。これはもう相談するしかない。
「あのうナスダックさん、今回のお客様なんですが実はWebじゃなくてビジネス案件でした。私じゃ歯が立たないので、よかったら商談に入って貰えませんか?」
「いいですよ、じゃあ次のミーティングで僕を呼んでください。ビジネス提案しましょう。」
よかった。。。これでドクトルさんの件は一安心です。なんかよく分からないけど、ナスダックさんと共同で仕事をすることになってしまった。けど、さんざんスパルタ指導で説教されてきた私としては、そこまで言う人が実際のビジネス現場でどのくらい実力あるのか見てみたいという思いもあり。まさか口だけじゃないよね?
疑ってごめんなさい
。。。などと少し冷ややかに見ていた面もあったのですが、
結論から言うと、ナスダックさん本物のデキル上司でした。。。(゚Д゚)
まず、初めてドクトルさんの要望をヒアリングした時、一撃でドクトルさんから絶大な信頼を勝ち取ってました。すげえ。さらに、見積書を作るときもロジカルに要件を分解、決して安売りすることなく説得力ある価格を提示してるし。全体を俯瞰しながら、双方にとって最も利益となる部分を導くやり方は、見ていて芸術的ですらありました。。。そりゃ顧客にも部下にも信頼されるわけですよ。
ていうかナスダックさん、自分では一度もやったことない作業でさえきっちり見積もり出せるセンスなに?そんなこと逆立ちしても出来ません…。
「何いってんの?やったことない仕事だから見積もり出せませんとか言ってたらビジネスできないでしょ。最初から完璧になんて無理だから、60%の完成度でもいいと思ってとにかくやるんだよ。あとで見積もりしくじったと分かったら次回から修正すればいい。大きく失敗しないためには、小さな失敗を繰り返しながら経験値上げるのが一番でしょ」
。。。ハイ、仰る通りです。。。orz
その結果、とんでもなく高額な見積書が出来上がりました。確かに説得力はあるけど、こんな金額出して大丈夫か。。。?と私だけビビりまくりです。
商談の当日、いきなりその高額な見積書をバン!と見せた我々。
当然ながら、ドクトルさんはその金額見た瞬間にめちゃくちゃ渋い顔をしてましたが、ナスダックさんにとってはそれさえもシナリオのうち。穏やかにこう切り出します。
「ドクトルさん、こちらの見積書は我々にできることの全てを書き出したものです。どうぞ、この中から重要度の低いものを削ってください。そうすれば金額はうんと下がります」
すると、ドクトルさんの顔がぱっと明るくなり「それなら、今回は予算の都合上AとBとCだけお願いします。とはいえ、残りのDとEの提案も魅力があるので、それは次回にオーダーさせてください」と。
うほおおお受注したーーーーーーー!!!!
しかも、ドクトルさんはこの商談を機に、我々を大いに気に入ってくれたようでした。まぢか。。。
悪いけど、下心ありです
いやもうナスダックさん、ホントに鮮やかとしか言いようがない手腕でした。それまでは内心どこかで疑ってた部分もあるけど、百戦錬磨のビジネスを間近で見せてもらってからは、一段とその実力が際立って見えるようになりました。
私、すごい人に出会ってしまったのかもしれない。正直、スパルタすぎて怖いけど、いま逃げたら後悔しそう。いまだにレポート課題だけが続いてる室長コンサルに比べると、ナスダックさんのやり方のほうが圧倒的に実践的だと言わざるを得ません。
「どうして私にこんなすごい事を教えてくれるんですか?私もうお金ないから、授業料なんて払えませんよ?」
「僕は投資家だからリターンがあるかどうかで見てるんですよ。トベさんの手持ちスキルが僕のビジネスにも役立つと見たから教育して先行投資することにしただけ。悪いけど、下心ありです。あとで回収させて貰うからよろしく」
「ひいいいっ。。。タダより怖いものはない。。。(゚Д゚lll)」
ナスダックさん、本当に根っからのビジネスマンでした。私なんかがどう役に立つのか知りませんけど。。。
ところがそんな守銭奴みたいな事を言う彼こそが、今回の売上の半分以上(!)を私にきっちり分配してくれたりするんです。最初からガッツリ値切ってきたカントクさんとは大違いだぁ。。。そのお陰で、崖っぷちだった私の経済状況が少し持ち直してきました。この人、クチは悪いけど私をフェアに扱ってくれるし、実際にマトモな金額を稼がせることで誰よりも私を助けてくれている。
スパルタ塾が始まって以来ガミガミ説教されてばかりの毎日ですが、厳しさの裏側で、きちんと水を光を与えて大切に育てようとしてくれているのも感じます。私みたいなカモネギを一人前に育てるなんて大変だと思うけどなあ。少しでも期待に応えたいものだ。。。
というわけで、どこまでついていけるか試してみようと思っている今日このごろです。
*****
余談ですが、ナスダックさんと関わるようになってから、以前から衝突の多かったパパリンとの関係が少しずつ改善してきているように思います。もしかすると私、いままで十分に男性ならではの父性をリスペクトできていなかったのかも知れない。
パパリンとナスダックさんの職歴は共通点があり、ナスダックさんを見ているとパパリンが若かった頃の活躍ぶりがなんとなく目に浮かんでくるのです。パパリン、家では決して仕事の話しなかったけど、実はすごいデキル男だったんだなぁ、と。
私にとっては、もしかするとこっちの課題のほうが大切なのかも知れません。。。
コメント
すべてはお父さんのことを再認識するためにあったんですね。
お父さんのことを再認識するというか、お父さんに対して感じているtobbeさんの内心のわだかまりが、tobbeさんに赦されて溶けていくと、たぶん、お金のことも自然に良循環が始まるような気がします。
ナスダックさんのスパルタ塾が始まってからまだ2ヶ月しか経ってませんが、そのあたりから稼げるようになってきたのは確かです。でも、ほんとうの価値はお金のことではないのでしょうね。
前に進んでいるものを目撃させてもらった感じがします。
こういうことが起きてくるから人生は面白いです。
本当に予想もつかないことばかりです…。
正直ラクではないけど、たしかに面白い展開だなと思います!
tobbeさんお久しぶりです。2ケ月ほど前からまたこちらのブログをのぞかせて頂き、tobbeさんお元気かな~~?きっとお仕事がお忙しいのだろうなと思っておりました。私のほうはアレヤコレヤ自我の罠にはまっていることも分からず自爆しまくりだったのですが(笑)去年JACIMから発売された「赦しの教室」を読んで、ようやく何に自爆しているのかに気づき、何とか平安をとりもどしました(^^;)兄弟に感謝です。そういえば、tobbeさんはフォーラムに参加なさっておいでなんですよね。この本の6人の方の体験談、本当に畏敬の念を抱かずにいられないくらい(イエス兄さんには訂正されそうだけど)素晴らしいと感じ、私の辞書と化しています。tobbeさんもフォーラムに参加されていらっしゃることを思い出し、思わず近況のご報告がてらコメントしてしまいました!
私もtobbeさんお元気かな〜?と見にきたところ、同じように気になっていっらっしゃる方が!
ブログを読み返して、ナスダックさんの深い父性を改めて感じました。
落ち着きましたら、また進捗聞かせていただけると嬉しいです。お待ちしております!
タンポポさん、みゆさん、コメントありがとうございます。
この記事書いてから半年近くですね。おかげさまで元気です。例のコンサルは円満に終了しましたが、その裏で起業コミュニティの闇も見ました(オヤブンさんに便利に使われそうになるのを断ったり…)。今もナスダックさんだけは付かず離れず(毒舌)で見守ってくれてますが、私もそろそろ独り立ちしないといけないので孤立奮闘中です。
でもすこし基準が安定してきたのか、その場しのぎでイイ顔することもなくなりました。自分さえ我慢すれば…という考えは底なし沼ですが(他人をいいように使おうという考えも同様にうんこ)、全員を勝たせるための考えは良い方向に進むということも分かってきました。
もっと早くにこういう勉強をしておきたかったな。
あと、ここ半年でうちのパパリンが別人みたいに穏やかになって内心信じられない思いで眺めております。。。
ふと思ったんですが、「自分さえ我慢すれば」という発想は、つまり、自分をいいように使おうということなのかも、と。