ACIMタッチアンドゴー

奇跡講座に復帰してからのあれこれ
20180224, 20201211, 20210108, 20210226

[JWD] 書き取りの始まり

1/15。

Journey Without Distance (2)

ゆる〜く読み進め中のJourney Without Distance(以下JWD)本の感想つづき。

前回、ビルが「別の道があるはずだ」と宣言した件について感想を書きました(2020/12/22投稿分)。時系列的にいうと、その後から怒涛のようにヘレンの霊視が始まるのですが、そのあたりの詳細は「天国から離れて」のp108〜146(5章)に詳しく掲載されているので、読み返してみたら興味深かったです。(この一連の霊視現象については断然、ヘレンの手記に基づいた博士の考察のほうが詳しいです)

そして、ある時ついに「奇跡講座(A Course in Miracles)」の書き取りが始まるXデーが訪れます。その時の様子は「天国から離れて」p229にもさらっとヘレン目線の記述があるのですが、「JWD本」のp54-56あたりはもっと詳しく、ヘレンとビルの具体的な(生々しい?)やりとりが紹介されてて印象に残りました。ここに2人の相互補完的な役割の芽生えが感じられたので、ざっと紹介するとこんな感じかと。。。↓

ノートをとってもらいたい

Journey Without Distance p54より
… one evening in October while sitting in her bedroom, the now-familiar inner Voice began to give her definite instructions.

1965年の10月のある晩、ヘレンが寝室にいるとき、内なる声が明らかに指示を与え始めたのだそうです。このときヘレンはパニックに陥り、直ちにビルに電話しました。

「例の、内なる声が…、私から離れないの!」
「それは何と言ってるんだい?」
「ずっと言い続けてるの。”これは奇跡についての講座(コース)である。記録(ノート)をとってもらいたい”、って。」

ビルは、怯えたヘレンを安心させるように優しく応援しました。
「なら、ノートをとってみたらどう?君がやってる速記法で書き取ればいい」
「でもビル、もしこれがデタラメだったら?私は気が狂っているってことになるわ!」
「ヘレン、ひとつ言っておきたいことがある。ロチェスターに行って以来、僕が読んできた(霊的な)本については、君が嫌がるだろうからと思ってシェアしなかった。だが、多くの有名な人々がそのような神秘的なインスピレーションを通じて傑作が生まれたんだ。アインシュタインもそうだし、偉大な劇作家とか、神秘主義の詩人とかもね!」
「私は神秘主義の詩人じゃないわ。私は心理学者だし、こんな事を信じられるとは思えない」
「でも、君はどのみちその声をどうすることもできないんだろう?なら書き留めて、明日の朝早く(他のスタッフが来る前)にオフィスに持ってきたらいい。僕らで一緒に内容を見てみよう」
「もしそれでデタラメだったら?」
「一緒に破り捨てるさ、誰も知ることはない」
「約束よ、ビル?」
「約束する」

ヘレンは電話を切り、居間にいるルイ(夫)に「寝室でちょっと仕事するわ。すぐ終わるから」と伝え、寝室の扉をしめて明かりを消し、ランプわきの椅子に座って声を聞き取りました。このときに書き取られたものが、いまや私たちの誰もが知っている奇跡講座の序文でした:

「これは奇跡についてのコースである。必修科目である。
… ここに神の平安がある」(T-in.)

内なる声はさらに続けたがっていたものの、ヘレンはこの時点で完全にパニック状態となり、それ以上聞き取ることを断固拒否。すぐさま速記本を閉じてブリーフケースにしまい、居間に戻って夫ルイに寝ると伝えました。

翌朝、ビルがいつもより30分早い7:30に出勤してみると、ヘレンはひどく動揺した様子ですでにオフィスに座って待っていたそうです。
「どうしていいか分からないわ、ビル。本当にどうしていいか分からない」

ビルはヘレンに昨晩の速記を読み上げるよう促し、それを彼がタイプライターで読めるかたちに清書する、と申し出ました(速記は彼女しか解読できないため)。ヘレンにしては珍しくどもりながらも、なんとかそれを読み上げたところ。。。

「ヘレン、どうも僕には興味深く思えるけど。これだけかい?」
「いいえ。もっと続けたがっていたようだったけど、恐ろしくなったの」
「どんなふうにして言葉がくるの?」
「説明は難しいけど、幻覚ではあり得ないわ。その声は外からではなく内側から来るから。実際には音声ではなくて、心に明確な言葉がやってくるの。内なる口述と言えるかも」
「君は自分で何を書いているのか分かってやってるの?それとも自動書記みたいな感じ?」
「とんでもない、自動的なんかじゃないわ。私は自分で何をしているのかを完全に意識しているもの」
「なら、今晩もうすこし書き進めてみたら?」
「できるとは思えない。こんなの動揺しかない」

ヘレンはやる気ゼロでしたが、結局その「声」を消すことは出来なかったそうです。そしてまさにその日の午後、ヘレンが電話に出て、受話器を置いたとたんに「内なる声」が再び始まりました。(恐れのあまり)ヘレンが飛び上がって、ビルのオフィスに駆け込んだところ。。。

ビルは何も怖がることはないとヘレンを安心させ、「いま出来る一番のことは、とにかくそれを書き取ってみることだよ。そのほうが君が抵抗し続けるよりもラクかどうか、見極めてみたらいい」と励ましたのでした。
ヘレンはその意見に30分も抗議し続けましたが、その間にも「内なる声」は静かに繰り返し現れ続けたため、絶望したヘレンはついに書き取ることに同意しました。
「でも、何が起こっているか分かるまでの間だけよ」

それが何であるかは15分かからずに判明しました。それはテキストの冒頭部分「奇跡の原理」だったのでした。

出典:Journey Without Distance p54-56

ビルの果たした役割

。。。とまあ、こんな感じで最初の頃ヘレンが超絶ビビっていたのが伝わってきますが、これはある意味、お堅い心理学者として極めてマトモな反応ではないかと思ってます。(ヘレンにしてみれば、下手すると地位も名声も失う可能性のある非常事態なわけで、とても容認できる気分にはなれなかったでしょう)

むしろ、謎の声が聞こえて「やたーー!神のお告げキターーー(゚∀゚)ーーー!!」と喜んで張り切っちゃう感じだと、そこに霊媒的な自己顕示欲が紛れ込んでいる可能性がなきにしもあらず。。。ですが、ヘレンの場合は自己顕示欲どころか「こんなデタラメは破り捨てるべき」という姿勢だったので、彼女が書き取った内容に、彼女自身の特別性を誇示したい意図は無かったと思われます。
(逆説的だけど、このヘレンの葛藤こそが奇跡講座の品質を担保しているのかも)

あともうひとつ驚いたのは、この2人やりとりから、奇跡講座の成立に際してビルが果たした重要な役割が垣間見られたことです。言葉の端々からヘレンの抵抗が凄まじかったことが伺えるので、恐らくビルの「思いやりのある建設的な励まし」がなければ、ヘレンは決して謎の声を書き取ることはなかったのではないか。。。という感じが伝わってきました。

対比してみると、博士本「天国から離れて」はヘレンの内面の分析においては非常に詳しく書かれてますが、その一方で相対的にビルの存在感はちょっと薄いように感じてました。まあ、私ごときの浅い感想ですが、どうもビルは「ヘレンの横で7年間ひたすら奇跡講座をタイプし続けた謎のおじさん」という淡〜い印象しか持ってなかったので。
しかしJWD本を読んで、やっと「ビルの支えがなかったら、そもそも奇跡講座の書き取りからして無理だったのか!」と思うくらい存在感の大きさを感じるようになりました。そうか、そういうことだったのか。Σ(゚Д゚lll)
※いや、よく読めば博士もずっとそう言ってるのに読み取れてなかった。。。

ビルとヘレンの間には確執があって、互いに赦しを実践できていなかった、という事がクローズアップされがちですが、その一方で、この対照的な2人が7年もの長きにわたって一致団結しなければ「奇跡講座」が生まれることはなかった、というのもまた事実だったのだと感じました。

上記の2人のやりとりからも、どちらかというと互いに大きな信頼を寄せ合っていたこともうかがえます。もちろん、傍から見て険悪な意地の張り合いも無数にあったでしょうけど、それは2人の家族的な親密さゆえのぶつかり合いだったと理解したほうが分かりやすいかも。
(それって、私にとってのパパリンみたいな距離感ですかね。。。家族って「仲良くすればいいのに」みたいな単純明快な正論が通用しない事もあるので)

余談ですが、先日、ジュディが死の直前のビルの様子について語ったことを紹介しました(2021/1/1投稿分)。それによると、最終的にはビルとヘレンが霊的なレベルで赦しを完了したことが窺えるような内容でした。もちろんジュディの見解を鵜呑みにする必要はないと思いますが、それでもヘレンとビルの分離感にフォーカスするよりは、2人の繋がり(joining)にフォーカスしたほうが聖霊の見方に叶っている気はします。

そんなこんなで、なんだかビルの存在感をだんだんと感じるようになってきた今日このごろ。薄っぺらいJWD本だけどまだ読み終わってないので、引き続きチビチビと読み進めていきたいと思ってます。

出典:奇跡講座 上巻 テキスト (中央アート出版社) / 天国から離れて (中央アート出版社) / Journey Without Distance (FIP)

コメント

  1. このヘレンさんが、いやいややっていたところが、逆にACIMという本の価値を上げているように思ってます。

    • Togoさん、私もホントその通りだと思いました!😌
      ヘレンが気の毒なほどに書き取りを望まなかったという事実が、奇跡講座というメッセージの純粋さを、却って際立たせているのではないかと。。。少なくとも「有名になりたい / 霊的指導者となって影響を与えたい」みたいな意識からくる汚染は完全に免れているように思えます。これはスピ系書物の中では、なかなか稀有なパターンではないかと感じたのでした。

  2. すご~く、面白かったです。
    このシリーズでお金稼げるんじゃないですかね?
    って冗談ですw
    たしかに、日本の学習者にとってビルって、
    存在感薄いですよね。
    そんなビルに、スポットライトを当て、紹介していただけて、とてもありがたいです。

    対立的な関係ではなく、協力的な関係になろうと合意し、決意したことが、
    奇跡講座の筆記に繋がったというのも興味深いなあと改めて思いました。
    この点に関して、形態レベルでの努力の重要性、必要性を感じます。
    コースの学習者は、心のレベルというものを意識しすぎて、
    この形態レベルでの努力をおろそかにしがちなのではと思ったりするのですが、
    でも、ワプニック博士の解説においては、心の深いレベルにおいて決断していたことの反映として、
    ヘレンとビルが、一致団結して奇跡講座の筆記に取り組むという形態レベルでの努力が現れたということになるのかな?
    とはいえ、確かに、形態レベルにばかり注目していては、
    この世界を去るなんてことはできないでしょうし、
    この点に関しては、実践をしていくうちに、少しずつ自分なりに明らかになっていくのかなあと、
    思っている次第でございます。

    • 山本さん、そうなんですよね〜。
      国内では「天国から離れて」が加藤先生の手で邦訳されたお陰で(ありがたいことです✨)、ヘレンの人生に関しては知られていますが、ビルの人生についてはまだまだ未邦訳が多いですね。ただ、ビルついて書かれた書籍は博士の見解と異なる(やや現世的な)ところがあるので、下手に安直な翻訳されると混乱を招くかも知れないな〜、とは感じてます。
      そして山本さんの仰るとおり、「ヘレンとビルの協力関係は心の深い部分での決断が先にあって、行動面でのあれこれはその結果にすぎない」という見方が妥当だろうと私も思います。でもそれは、JWDでは行間の内容を推し量る読み方をしないと汲み取れないかも知れません。
      とはいえACIM成立の歴史を知る上で役に立つ一冊であることは間違いなく、興味深いです。また何か思うところあれば書きますね。😊

  3. Tobbeちゃん

    コースの価値ある情報と日本の学習者との“橋渡し”はTobbeちゃんのミッションかもしれませんね~
    とってもおもしろいお話、ありがとうございます。
    「逆説的だけど、このヘレンの葛藤こそが奇跡講座の品質を担保しているのかも」ってとこ、なるほど、って思いました。
    それとビルさんを表現した「ヘレンの横で7年間ひたすら奇跡講座をタイプし続けた謎のおじさん」っていうのが私にはツボでした(^-^;

    • たまさーん、いらっしゃい!😆
      いやー実は、ゲイリー講座見てるといろんな人がいて「しょせんコースもヘレンの自我の産物では」という意見もチラホラ。もしそうなら、学習者はヘレンの誇大妄想に生涯かけて取り組もうとしてるヤバい人々ということになります…。でも今回のくだりを読んで、「こんなに激しく嫌がってるヘレンに限って、それはないわw」と思えるようになったのは収穫だったかも。🎁
      そして今まで謎のおじさんだったビルですが、黎明期の登場人物の中でたいへん思慮深く朗らかな1人だったという事が見えてきて、なんだか最近ファンになりそうです(≧∀≦)

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