積年の憎悪との別れ
ここ2週間ほどの断続的な死の恐怖で食欲不振が続き、かなり身体が弱ってしまったのですが、そのさなかに、自分史に残る(!?)かも知れない心の変化を経験したのでメモです。
なんとか通勤できる体力はあったので会社には行ってました。でも前日から強烈な死の恐怖に襲われていて、おなかが締め付けられるような耐え難い感覚に陥り、仕事がほとんど手に付きません。もうどうしていいか分からない。
昼頃まで耐え忍んでいたとき、ふっとあることに気付きました。私は、これと非常に似た苦痛を以前にも経験したことがあるような気がする、と。
旅の記憶
それは7年前に、前の会社を辞めて半年ほど海外を旅してた時のことでした。旅の目的は、その6年前から持ち続けてきた離婚の痛みを手放して人生リセットしたい!というものでした。最初は漠然とした思いで出発したのですが、旅の終盤になってやっと、これは前夫に対する怒りを手放そうという試みだったのだとわかりました。
じつはこの旅の途中で2回ほど、原因不明のひどい食欲不振に襲われて立ち往生しそうになったことがあります。その時の状態と今の状態が、もしかして全く同じなんじゃないか?と気がついたのです。
でも当時は、その食欲不振の源が死の恐怖であるとは認識できていませんでした。なんか突然、何も食べられなくなってどんどん衰弱していく、なんで!? 怖い!! みたいな。だけど、今振り返ってみると、あの当時もやはり、いまと同じ死の恐怖を感じていたのだと分かりました。(すっかり忘れていた)
でも何で死の恐怖なのか?誰が死を恐れているのか?
それに関連した記憶ですが、旅の終わりに到達したある場所で、強烈な悪夢を見ました。それは怒りで狂った女性が罵り声をあげながら自分に火をつけて焼身自殺する、というものでした。
目が覚めてから「あの狂った女性は自分自身の怒りだったのだ」と気づいて呆然とした事は覚えています。(それで私は旅の目的が達成されたと感じたのでした)
その時は、「旅の終わりの悪夢」と「旅の途中のひどい食欲不振」を結びつけて考えることはしなかったのですが(ずっと謎だと思ってた)、もしあの食欲不振が今と同じ死の恐怖から発していたとすると、いろいろと腑に落ちます。
つまり、7年前の旅で私がうっすらと心の奥で、そろそろ怒りは手放そう。。。と思っていたそのことが、私の夢の中で狂った女性として象徴されていた「怒りの想念」にとって死の恐怖を起こさせたのではないかと。彼女の死の恐怖を自分の身に感じてしまったことで食欲不振が起こったように思います。
とにかく私はその旅を通じて、離婚のことは手放したつもりでいました。
ちなみに、この旅から帰国した同じ年に「神の使者」と「ACIM」との最初の出会いがあったのは余談です(まあ、その後でコースアウトするわけですが。。。)
残っていた憎悪
しかしあの旅で手放した怒りは、私の心の闇のほんの一部に過ぎなかったみたいです。離婚のことはもう忘れた、と思っていながら、実際にはまだ前夫に対する憎悪がくすぶっていました。「もう怒ってはいないけど、2度と会いたいとは思わない」というスタンスです。
それは一般的には特に問題のない姿勢かも知れませんが、ACIMの観点からはちょっと話が変わってきます。ACIMは「部分的に赦す」みたいな中途半端を認めていないので。今年に入ってACIMに復帰して、ワークブック2周目を気軽に開始したつもりでしたが、たった3カ月でジェットコースターのような展開になったのは、もしかすると自分の中で密かに温存してた憎悪(狂った女性に象徴されるような)が危機感をもって次々に浮上してきてる?
さて、会社でひどい恐怖感に襲われてどうしようもなかった時に、今の症状と7年前の旅での経験の類似性に突然気がついたという話に戻ります。私はそのとき、デスクでこんなことを考えていました:
もし7年前に体験した恐怖が、今の状況と本質的に同じだとしたら、いま私の中で死を恐れている想念は一体なんだろう?
あの時に抱えていた問題が前夫に関するものだったとすると、もしかして今回もそうなのだろうか?
もしかして今の自分は、さらに手放したい何かがあるのだろうか?
それからなんとなく、前夫のことを思い出し、彼がほんとうは愛に溢れた完璧な存在であることをイメージしてみました。すると、どういうわけか突然、「叶うものなら、もう一度彼に会って仲直りしたい!」という、今まで感じたことのなかった強烈な気持ちが湧いてきて、涙が出てきたという。。。
自分がそんな事を思うなんて、今までの人生を振り返っても考えられないことでした。離婚してから15年くらい手放すことの出来なかった憎しみの気持ちが、今は全く感じられず、むしろ彼に対して愛情すら抱いていることに驚きました。
それと同時に、前日からどうにも逃れられなかった死の恐怖がすーっと消えてしまったのです。それまでずっと身体で感じていた耐え難い苦しさから突然解放されました。
助かった。。。
なんか知らないけど、本当に助かった。。。
思ったこと
おかげでその日の午後はふつうに仕事が出来るようになり、「普通」の精神状態でいられることのありがたみを噛みしめることができました。でも食欲不振ですっかり痩せてしまったので、これから少しずつ体力を回復しようとしてます。
まだ不安の種が消えたわけではないですが。。。
今回の件で辛かったのは、誰にも真の状況を相談できないことでした。トベ自身は、今回の一連の出来事はACIMの学習を始めたことと関連があるという確信のようなものがあるのですが、このことに関しては一人で向き合うしかなかった。聖霊がいるから一人じゃないと思っても、聖霊は電話して話せるわけじゃないし。
もちろん助けてくれた人々はいました。恐怖感で耐えられない時に必ず連絡をくれたトミーさん、病を恐れて弱気になっていた時に励ましてくれた整体のエビス先生。この2人と話をしている時は元気が戻ってきたし、本当に感謝しています。でも、さすがにACIMの事までは言えないです。。。
ひどく心細い時は、「テキスト」、「奇跡の原理」、「神の使者」などの書籍を読んで過ごしていました。これは自分の心に必要だから起こっている出来事なんだと言い聞かせたりね。しんどい時はワークブックも中断したし。
正直、今のところは何とか助かったと思えるものの、この先がちょっと不安です。。。
この体験を、いつか笑い飛ばせるようになりますように。
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