メアリーさんの手術の話
先日(3/5参照)届いた、先輩学習者のテディさんが勧めてくださったワプニック博士のForgiveness and Jesusという本について、忘れないうちに書いておきたいと思います。300ページもある本なので、正直まだ全然読み始めたばっかりですが、テディさんに教えてもらったp80の内容は、ちょっと想像を超えた内容でした。
このエピソード全体を翻訳する能力は私には無いので、概要だけまとめてみたいと思います。(品質は保証できませんが。。。)
Forgiveness and Jesus より、p80のまとめ:
メアリーさんは甲状腺(喉)に腫瘍ができ、瞑想などの内観を通じても治る気配がありませんでした。彼女は以前から無意識的に他者を罰したいと思ってしまう傾向があり、それが治癒を妨げているように思われました。しかし自力ではどうすることもできず、ついに甲状腺摘出手術を受けることを決意し、外科医に相談に行くことにしました。
興味深いことに、彼女はこの外科医に会う少し前に、過去生のフラッシュバックを体験していました。その記憶というのは、かつて彼女が信仰していた教義のせいで、他の宗教的権威からひどい迫害を受けたというものです。一連のフラッシュバックの中で、黒いフードの死刑執行人に、斧で首をはねられた最期も思い出しました。
そんなメアリーさんが手術の相談に赴いたとき、彼女の執刀を担当する外科医が何気なく、「僕はみんなによく首切り屋って言われるんです」みたいなジョークを言いました。その瞬間、メアリーさんの視界から外科医が消え、代わりに黒いフードの死刑執行人の姿が見えたそうです。そして彼女はこの外科医が過去生において彼女の命を奪った人物であることを知りました。
しかしメアリーさんは彼に対して恐れも怒りも感じることはなく、ただ彼のことを信頼しました。自分の命を因縁ある外科医の手に委ねることによって、2人が共に赦される機会が与えられたのです。かつては斧で「首を切る」ことにより命を奪った人物が、いま同じように「首を切る」という医療行為を通じて、今度は命を救ってくれる人物になったのです。
興味深い事に、メアリーさんが当初から抱えていた他者を赦せない気持ちというのが、かつて神の名によって咎められ処罰されたこととリンクしていることも見えてきました。このため彼女はレッスン31「私は自分が見ている世界の被害者ではない」の実践に努めました。そして、手術が無事に成功した後、彼女は自分が赦せなかった相手(迫害者)について、以前よりも積極的に赦しに取り組めるようになりました。
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トベの理解の範囲内でまとめるとこんな感じの話でした。
個人的には、上記のエピソードはあくまで特殊なケースであり、一般化して考えるべきではない気がします。例えばこの事例を引き合いに、すべての外科医と患者の関係が過去生の因縁に由来するなどと結論づけるのは違うと思うし。
また、メアリーさんは過去生のフラッシュバックがあった点が特徴的でしたが、ほとんどの場合、このような回顧体験は必要ない(=何も思い出せなくても救済には影響しない)ということも強調されています。
ではなぜワプニック博士がこのエピソードを出してきたかというと、それはまさに「病気になってしまった自分自身を責める」というACIM学習者にありがちなNGスパイラル(私自身がハマったやつ)に陥らないようにと諭すためです。ただでさえ病気で苦しんでいるうえに、病気になったのは自分に罪があるからだ。。。などと考えるのは、自我に2度エサをやるようなものだからやめなさい、と。
むしろ、病気というのは「自分自身の助けを求める呼び声」であり、他の形態では見出せないような赦しの課題を明らかにしてくれる出来事と捉えるべきだということです。また、聖霊はこの世界のあらゆる形態を用いて癒すため、ACIMで魔術と呼ばれる医療(手術や投薬)を選択することでさえも大きな赦しの機会になり得るのだと教えてくれています。その分かりやすい例として、メアリーさんの話を紹介してくれたのです。
ちなみに私自身、どうしてこのエピソードを読んだとき涙が止まらなかったのか全然わかりません。自分がメアリーさんと同じ病気を患っているのでより強く心の琴線に触れるのかも知れませんが、「病気が治らない(手術を選択)=赦しに失敗してる(癒される資格がない)」みたいな自虐的な考えに陥る必要はないんだと心のどこかで納得できたのかもしれません。
Forgiveness and Jesusは、私にはちょっと難しい本なので、読み終わるまで結構時間かかりそうです。でも、ためになる話がたくさん載ってるので、頑張って最後まで少しずつ読んでみようと思います。
出典: Forgiveness and Jesus (FACIM)
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